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第329回『くさい食べもの大全』小泉武夫

 


「味覚人飛行物体」を自称する著者が今までに食べてきた、
「くさい食べもの」のその臭さのランクとエピソードを紹介した本です。

 

まず最初に紹介してあるのは「シュール・ストレミング」。
シュール・ストレミングはスウェーデン特産のニシンの発酵缶詰です。
普通、缶詰は食品を缶に詰めた後に加熱殺菌し、
細菌をなくすことで長期保存が可能になります。
しかし、シュール・ストレミングは加熱殺菌をしないので、
缶の中で発酵が進むことになります。
様々なにおい物質が生成され、炭酸ガスで缶がパンパンに膨れ上がるそうです。

 

シュール・ストレミングを開缶するときは注意事項が4つあるそうです。
1.決して家の中では開けないこと。
2.開缶する前に不要な衣類か雨合羽などを全身にまとって開けること。
3.開缶前に冷蔵庫でよく冷やし、ガス圧を下げてから開けること。
4.風下に人がいないことを確認すること。
以上だそうです。

 

しかし、著者はなんと、スウェーデンのホテルの部屋で、
何の準備もなく開けてしまい、とんでもない大惨事が起こったようです。

さて、その味は…
著者によると、「塩辛を炭酸水で割ったような奇妙な味」
「酸味と塩味に魚のうまみが加わった濃厚な味で、炭酸ガスが舌をピリピリさせる」だそうです。
結局、
「においの凄まじさにくらべて、味はそれほど仰天するほどではない」
「大騒ぎして食べるほどの代物ではなかった」だそうです。

 

とまあこんな感じで世界中のくさい食べものが紹介してあります。
そのほとんどは、今まで食べたこともないし、
この先も味わうことはないだろうと思われるものばかりです。
たとえばシュール・ストレミングとか、
ホンオ・フェ(エイの熟成肉)とか、キビヤック(海燕の発酵食品)とか。

 

でも、中には食べたことがあるものもいくつかあります。(★が多いほどくさい)
納豆        ★★★~★★★★
ギンナン(銀杏) ★~★★★★★
ニンニク     ★★★★★以上
ニラ         ★★★★
ネギ        ★★
タマネギ     ★★
ダイコン     ★★★
糠漬け      ★★★
タクアン漬け  ★★★★
高菜漬け    ★★★
キムチ      ★★★★

 

「くさい度数」について(おそらく著者の経験による基準?)
★ あまりくさくない。むしろ、かぐわしさが食欲をそそる。
★★ くさい。濃厚で芳醇なにおい。
★★★ 強いくさみで、食欲増進か食欲減退か、人によって分かれる。
★★★★ のけぞるほどくさい。咳き込み、涙することも。
★★★★★ 失神するほどくさい。ときには命の危険も。

 

色々と切りがないのですけど、もう一品紹介しておきます。

 

「ドリアン」★★★★
「果物の王様」と呼ばれる。くさい果物の代表。
大きいものは人の頭ほどもあり太く硬いトゲが威圧的。値段も威圧的(高い)。
果肉には強烈な臭気があり、「腐ったタマネギ」に例えられる。
しかし、その果肉は「クリーミーな舌触りで甘みがあり、
上品で高級なアイスクリームを食べているような感覚を味わえる」そうです。

 

ある時、沖縄でドリアンを手に入れた著者は、
東京の学生にも味わわせてあげたいと思い、苦労して持ち帰ったそうです。
そして、自信満々で味わってもらったのですが、
ある学生の一言でがっくりしたそうです。
「トイレでシュークリームを食べているみたいな感じ」
その感想はあまりにも的確に真実をとらえていたようです。

 

う~ん、においって大事ですね。
どうせシュークリームを食べるなら、トイレ以外の場所で食べたいものです。

 

満寿夫でした。

 


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