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第273回『この世界の片隅に』こうの史代

 

先日、S氏が帰省した際に、買って、読んで、置いていってくれました。

S氏は、先に映画を見ていて、とても良かったと言っていました。

機会があればぜひ見るべき、と言われましたが、たぶん映画館には行かないでしょう。

 

 

物語は、先の戦争の戦中戦後の庶民の暮らし。舞台は広島県の広島市と呉市。

主人公は浦野すずさん。結婚して北條すずさん。

とても穏やかな人で、絵が上手な人。この人が居るだけで周りを和ませてくれる人です。

 

 

昭和18年の12月から21年の1月まで、戦時下の暮らしが、淡々と描かれています。

いや、淡々とというより、かなり面白おかしく描かれています。

 

だんだんと戦時色が濃くなり、生活物資も不足がちになっていきます。

しかし、置かれた状況の中で精一杯明るく元気に暮らしていきます。

周りの人に励まされながら、周りの人を和ませながら。

 

 

例えば、山の上から呉の軍港を写生しているところを、憲兵に見咎められる。

憲兵は家にまで押し掛け、家族に厳重注意する。

しかし、憲兵が帰った後、すずさんの神妙な態度がおかしくてならなかった。

と言って家族から大笑いされる。

ああ、家族とは、家庭とは、こうありたいものです。

これがもし、家族にまでかさにかかって責められては、たまったもんじゃないというものです。

 

 

それにしても、こんな穏やかな婦女子まで厳しく詰問しておきながら、

一方、ゾルゲや尾崎秀実らの巨悪を見逃してしまったのはなぜでしょうか。

力を傾注する方向を間違っていたとしか言いようがありません。

 

 

ひとつ、このマンガは全編、広島弁であふれかえっています。

山口県出身の満寿夫にとっては、おとなりの県なので、おおむね分かるのですが、

馴染みのない人にはわかりにくいかもしれませんね。

まあ、それもまた一興としておきましょう。(^_^;)

 

満寿夫でした。

 

 


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