旬内

広報部員Fです。

 

古事記によると、先に亡くなったイザナミに逢いたいと、イザナギは黄泉国に出かけました。

 

「愛しい妻よ、二人の国造りは、まだ終っていない。だから現世にかえってもらえないか?」

イザナミは「私はすでに黄泉国の食べ物を食べてしまいました。しかし、愛しい夫が訪ねてきてくれたので、黄泉国の神に相談してみましょう」「しかし、その間、私の姿を見てはなりません」イザナミが言います。

 

長く待たされたイザナギは、ついにしびれを切らし、髪にさしていた太い櫛に火を灯し、御殿の中に入ります。そこには、イザナミの体には蛆がわき、ゴロゴロと頭や胸から8種の雷神が出現していました。

 

「よくも、私に恥をかかせてくれた」イザナミは怒り狂います。イザナギは驚いて逃げ出します。それを、醜女が追います。イザナギは、髪に付けていた『黒いかずら』を取ってなげると、それが、『ヤマブドウの実』に変わりました。

 

また、櫛の歯を折って投げると、『ある』ものに変わり、醜女たちがそれを食べている間に、イザナギは逃げ延びることが出来たと言います。その『ある』ものとは、今まさに旬を迎えるこの食材です。




『筍』です。

 

まさに春を代表する味覚、10日(旬内)で竹になることから『筍』の字が充てられます。孟宗竹、淡竹、真竹と種類は豊富ですが、個人的には、淡竹が好きです。味噌汁、煮物、炒め物、蒸し物、筍ご飯はもちろんのことです。

 

シャキシャキとした食感に、それぞれの出汁のうまみが含まれ、筍のやわらかいうまみが口の中に広がる様は、まさに至福の時ではないでしょうか?

 

「雨を聴く 竹の子の皮 剥きながら」安住敦

 

春雨の山々に次々と筍が芽吹いていきます。

 


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